国民の約74%が今の生活に満足なのは、「低欲望社会」だからと考える



内閣府が平成29年(2017年)8月26日に公表した、「国民生活に関する世論調査」によると、現在の生活に「満足」または「まあ満足」と答えた方の合計は、前年より3.8%上昇して73.9%に達しました。

しかもこれまで最高だった、平成7年(1995年)の72.7%を上回り、過去最高を更新したのです。

こういった国が作る統計の数字を見ている時、「そんなの嘘だろう!」と思う事がたまにあります。

例えば公務員の給与は、人事院が民間企業の給与を調査したうえで、その平均額を算出し、それを元に決められております。

つまり公務員の給与は、民間企業の給与に合わせているのだから、格段に高くないという訳です。

しかし人事院が発表している民間企業の給与の平均額は、どこの国の民間企業なのだろうかと思うほど、かなりの高額になっており、そんなの嘘だろう!と、思わず突っ込みたくなるのです。

内閣府から発表された「国民生活に関する世論調査」の結果は、人事院が算出した民間企業の給与の平均額を超えるほどの驚きで、どこの国で調査したのだろうかと思いました。

ただ日本人の自殺者数は、平成15年(2003年)に過去最高となる3万4,427人に達した後は、減少傾向が続いており、平成28年(2016年)は2万1,897人になっております。

こういった統計を見ていると、国民の約74%が今の生活に満足しているという話は、あながち嘘ではない気がするのです。

どうしてこのような結果になったのかがわからず、すっきりしない気持ちでおりましたが、経営コンサルタントの大前研一さんが提唱する「低欲望社会」という言葉を見た時に、すっきりした気持ちになりました。

つまり現在の日本人は、欲望が低くなっているため、例えば給与や年金の金額が上がらなくて、あまり物が買えなかったとしても、それほど不満は感じないのです。

それ以前に何か物を買いたいという欲望が低くなっており、欲しい物が少ないのかもしれません。

最近は若者の「○○離れ」、例えば「クルマ離れ」という話を、ニュースサイトなどでよく見かけます。

この理由についても、「低欲望社会」をキーワードにして考えていくと、納得できる気がするのです。

なお「国民生活に関する世論調査」の中の、年齢階層別の満足度を見てみると、「18歳~29歳」の満足度がもっとも高く、79.5%になっております。

これは満足度がもっとも低い「50歳~59歳」の69.8%を、10%近く上回っているのです。

大前研一さんは経営コンサルタントでありますから、低欲望社会の原因を究明して、国民に野心や欲望をもっと持たせた方が良いと主張されております。

ただ仏教の世界には、「少欲知足」(欲を少なくして足る事を知る)という言葉があり、少ない物で満足するという生き方は、この少欲知足の実践と考えられるのです。

そうなると日本経済の先行きを考えると、低欲望社会はNGであるが、個人の生き方としてOKという事で、なかなか難しい問題だと思いました。
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  1. 2017/10/04(水) 20:32:36|
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