安倍内閣の支持率は「アナウンス効果」で正常化し、次は金利が正常化へ



家計学園問題が発生した直後に実施された世論調査を見ると、安倍内閣の支持率は以前より低下しておりましたが、それほど大きな低下ではなく、違和感を覚えておりました。

しかし最近に実施された世論調査での安倍内閣の支持率は、家計学園問題が発生した直後より大幅に低下しており、その中には危険水域とされている30%を、下回っている調査もあります。

個人的には現在の安倍内閣の支持率は、この程度が適正だと思っており、やっと支持率が正常化してきたような印象を受けました。

このように安倍内閣の支持率が、家計学園問題が発生した直後より低下していったのは、選挙などが実施された時によく登場する「アナウンス効果」が、多少は関係しているのではないかと思うのです。

このアナウンス効果とは、政党や候補者が置かれている状況についての情勢報道が、有権者の投票意図や投票行動に、変化をもたらす事を示しております。

またアナウンス効果には2種類があり、ある政党や候補者が優勢と報道されると、更に票が集まる「バンドワゴン効果」と、ある政党や候補者が苦戦と報道されると、激励票や同情票が集まる、「アンダードッグ効果」があります。

今回はバンドワゴン効果が関係しており、安倍内閣を支持すべきか否かで迷っていた方が、安倍内閣の支持率が下がった世論調査を見て、「支持しない方が以前より増えているので、私もそうしよう!」というように、不支持の方に回ったのだと思うのです。

またこれが繰り返されていったため、世論調査が実施されるごとに、支持率が下がったのではないでしょうか?

ところで平成29年(2017年)7月12日のロイターを読んでいたら、インタビュー:安倍政権弱体化なら、日銀総裁交代か=大塚参院議員と題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『日銀出身の大塚耕平参院議員(民進党)は12日、ロイターのインタビューの中で、東京都議選での自民党惨敗により、安倍晋三政権が弱体化して交代する可能性もあるとの見通しを示した。

そのシナリオが実現した場合、日銀の黒田東彦総裁は来春の任期満了時に交代する可能性があると述べた。また、次期総裁には大規模な金融緩和によって蓄積されたリスクに対応できる能力が必要だとした』

『来年春に予定されている日銀の正副総裁人事は「安倍政権が安定している場合と、支持率がさらに低迷もしくは首相が交代している場合の2つのシナリオを考える必要が出てきた」と述べた。

後者の場合ならば、日銀の金融政策運営は、1)現行のイールドカーブコントロール(YCC)政策の枠組みを維持する、2)出口戦略の可能性を市場に伝えつつ、YCC政策を当面は維持する、3)YCC政策から別の政策の枠組みにシフトする──の3つのパターンが考えられると指摘。

別の政策への転換が現実味を帯びた場合、黒田総裁から新たな総裁への「交代が自然」との見方を示した』

以上のようになりますが、一般に長期国債の金利は、経済のバロメーターと言われております。

例えば景気が良くなれば金利は上昇し、また景気が悪くなれば、金利は低下していくのです。

しかし黒田総裁が誕生してからは、日銀が大量に国債を購入し、意図的に金利を下げているため、長期国債の金利は経済のバロメーターとしての機能を、果たさなくなっているのです。

もしこの記事に記載されているように、黒田総裁から新たな総裁に変わるような事があれば、長期国債の金利は経済のバロメーターとしての機能を、取り戻す可能性があります。

そうなるとアナウンス効果による、安倍内閣の支持率の正常化の後に待っているのは、金利の正常化なのかもしれません。
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  1. 2017/07/21(金) 17:20:07|
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バブル期を超える景気拡大を実感できないのは、日本人が貯蓄好きだから



第2次安倍内閣が発足した、平成24年(2012年)12月から始まった景気拡大が、平成29年(2017年)3月で52ヶ月に達し、バブル期の51ヶ月を超えたそうです。

しかし景気が良いという実感はまったく湧かず、まさに「実感なき景気回復」だと思うのですが、新聞などを読むとこの理由について、次のように分析されておりました。

(1)経済成長率が小さい
バブル期の経済成長率は、5%前後を確保しておりましたが、現在の経済成長率は1%程度しかありません。

つまり景気拡大は長く続いているけれども、バブル期より緩やかなため、景気が良いという実感が湧かないという訳です。

(2)賃金の伸びが弱い
平成29年(2017年)3月期の決算では、過去最高の利益を記録する企業が相次ぎ、その利益は例えば賞与として、従業員の賃金に反映されております。

しかし企業の利益の伸びに比べると、従業員の賃金の伸びは弱いので、景気が良いという実感が湧かないという訳です。

(3)社会保険料の負担が増えている
公的年金や公的医療保険の保険料は、少子高齢化などの影響により、引き上げ傾向にあります。

例えば厚生年金保険の保険料は、平成16年(2004年)から平成29年(2017年)まで、毎年9月になると0.354%ずつ引き上げされております。

こういった社会保険料の負担増により、自由に使える可処分所得がじわじわと減っているため、景気が良いという実感が湧かないという訳です。

以上のようになりますが、私の個人的な考えとしては、資産のほとんどを預貯金で保有しているという、日本人の貯蓄好きな一面が、景気が良いという実感が湧かない、原因のひとつになっている気がします。

そのように考える理由として、自分で年金をつくる最高の方法(著:大江英樹)に、次のように記載されていたからです。

『定期預金だけでは不十分だと思える最大の理由、それは経済の発展によって社会全体が豊かになる、その恩恵を十分に受けることができないということです。

多くの方は、投資=危険なもの、貯蓄=安全なものという感覚を持っておられるだろうと思います。「自分は危険なものには手をつけたくない、だから貯蓄しかやらないのだ」、この感覚は理解できます。

でも、広い意味でいうと預金も投資の1つなのです。銀行という代理人を通じて国や企業に間接的に投資をしているからです。だから銀行預金のことを間接金融というのです。

これに対してわれわれが国や会社が発行する債権とか株式に投資することを直接金融といいます。投資信託も直接金融の1つです』

『間接金融の場合は投資した元本変動のリスクや投資先の破綻によるリスクは銀行が負うため、預金者がそのリスクを負うことはありません(もちろん預金した銀行が破綻した時はこの限りではないことはいうまでもありませんが)。

したがって、預金のような間接金融の場合は直接金融に比べると成長による富の恩恵を受ける割合は非常に少なくなります。これは当然です。

だって預金の場合、リスクは預金者に代わって銀行が負うわけですから、その分、“成長による富の恩恵”を受ける割合は代理人である銀行が多めにいただくのは当たり前です。

2~3年程度の短期であるならともかく、60歳までの長い何十年という期間を考えると、その間の経済成長による恩恵の多くを放棄してしまうということは実にもったいないことだといわざるを得ません』

以上のようになりますが、要するに資産のほとんどを預貯金で保有しているという方は、景気拡大の恩恵を受ける割合が、低くなってしまうという訳です。

だから景気拡大の月数がバブル期を超えても、まったく実感が湧いて来ないのです。

そこで資産の一部だけでも良いので、何かしらの直接金融に回した方が良いという話になります。

例えば個人型の確定拠出年金であれば、月々5,000円から掛金を拠出でき、その掛金で株式や債券が組み入れられた投資信託を購入すれば、資産の一部が直接金融に回ります。

このように投資信託であれば、少額から始められるので、景気拡大の恩恵を受けられるのはお金持ちだけと、悲観する必要はないのです。
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  1. 2017/07/10(月) 20:48:06|
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