公務員の給与が高いのではなく、民間企業の給与が低すぎると考える



平成29年(2017年)4月19日の毎日新聞を読んでいたら、退職給付:官民格差78万1000円 政府、是正措置へと題した記事が掲載されておりましたが、一部を紹介すると次のようになります。

『人事院は19日、国家公務員と民間企業の退職給付(退職金と年金)の官民格差に関する調査結果を公表した。

国家公務員の平均が民間を78万1000円(3.08%)上回ったため、「見直しを行うことが適切」と指摘した。政府は来年から国家公務員の水準を3%程度引き下げる是正措置を取る見通しだ。

調査結果によると、国家公務員の平均が2537万7000円、民間は2459万6000円。低金利による企業年金の運用難などで格差が生じた。国家公務員への給付減は地方公務員にも影響しそうだ。

調査は5年に1回実施。従業員50人以上の4493社で勤続20年以上の事務・技術職が対象になった』

以上のようになりますが、この記事を読むと国家公務員の退職手当が、どのようにして決まるのかがわかります。

またこの記事には記載されておりませんが、毎月支払われる給与についても、退職手当と同じような手順で決まっているのです。

つまり内閣の所轄の下に置かれている「人事院」が、国家公務員と民間企業の給与を調査し、その両者の間に格差があった場合には、その格差を埋めるための勧告を、政府に対して行います。

そして政府は勧告内容を盛り込んだ法律の改正案を、国会に提出して、それが可決されると、国家公務員の給与が決定されるのです。

なお地方公務員の給与は原則として、人事院の勧告を参考にして作られた条例の改正案が、首長(都道府県知事や市町村長など)によって、地方議会に提出され、それが可決されると決定します。

ですからこの記事に掲載されているように、「国家公務員への給付減は地方公務員にも影響」するのです。

このように国家公務員や地方公務員の給与は、民間企業の給与に連動しているので、民間企業の給与が上がれば、国家公務員や地方公務員の給与も上がります。

また民間企業の給与が下がれば、国家公務員や地方公務員の給与も下がるのです。

ただそうはいっても、納得できない方は多いようで、インターネットの掲示板などを見ていると、公務員の給与は高すぎるという批判が溢れております。

私の個人的な感想としては、バブル崩壊後の約20年の間に、民間企業の給与は下がり続けてきたのに対して、公務員の給与はほぼ横ばいだったので、官民の格差ができてしまったのだと思うのです。

つまり国家公務員や地方公務員の給与が高いのではなく、民間企業の給与が低すぎるのです。

最近の日本は宅配業界に代表されるように、求職者の数より企業の求人数が多いという、「売り手市場」になっているため、働く側が企業側に対して、待遇などの改善を求めやすい状況になっております。

また財務省が平成28年(2016年)9月1日に発表した「法人企業統計」によると、企業が得た利益を社内に貯めた「内部留保」が、金融・保険業を除く全産業において、過去最高の377兆8,689億円に達しております。

こういった状況を考えると、公務員の給与の高さを批判するより、「今こそ約20年分の借りを、きっちり耳をそろえて返しやがれ!」と、勤務先の企業に待遇の改善を求めた方が、建設的だと思うのです。

そしていつの日か、公務員なんて給与が安すぎて、誰も成り手がいないという時代が来たら、「OKバブリー!」な毎日が待っているような気がします。
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  1. 2017/05/05(金) 20:02:43|
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将来の日本を良くしたいと思うなら、「タンス預金」は止めた方が良い



最近インターネットで検索していると、タンス預金が急増しているというニュースや、そのための金庫が売れているというニュースを、よく見かけます。

その中に記載されていた、第一生命経済研究所の調査によると、タンス預金の総額は約43兆円と推測されるようです。

また日本銀行の調査によると、平成28年(2016年)末の定期預金の残高は、前年末比で3.9%減の244兆9337億円となり、このような定期預金の減少分などが、タンス預金に回っているようです。

こういったニュースが伝えるように、しばらく使う予定のないお金を、タンス預金にしておく方が増えているのは、次のような3つの理由があると推測されております。

(1)マイナス金利政策
日本銀行が平成28年(2016年)1月に、マイナス金利政策を導入してから、もともと少なかった預金金利が更に低下しております。

そうなると銀行に預金をする意味が薄れるので、しばらく使う予定のないお金を、タンス預金にしているようです。

(2)マイナンバー
将来的にマイナンバーと個人の銀行口座は、紐付けされる事になっており、そうなると税務署などに、預金残高を把握されてしまいます。

また預金残高が把握された後には、その残高に対して課税する、「貯蓄税」が導入される可能性があり、それを恐れて特に富裕層が、しばらく使う予定のないお金を、タンス預金にしているようです。

(3)個人に対する営業の強化
銀行などの金融機関は日本国債を大量に保有しているため、マイナス金利政策の導入によって発生した、日本国債の金利低下によって、ダメージを受けております。

そのため手数料を確保するという目的で、個人に対する営業(例えば投資信託や保険)を強化しており、これを面倒だと思う方が、しばらく使う予定のないお金を、タンス預金にしているようです。

以上のようになりますが、特に(1)の預金金利の低下については、共感する方が多いと思います。

しかしタンス預金には、お金を盗難される危険や、火事や自然災害などによって、お金を消失する危険があります。

またもっと大きな視点で見ると、タンス預金が増える事は、将来の日本を悪くしていくと思うのです。

銀行に預けられたお金は、生活の中で役に立つ新商品を開発して、将来の日本を良くしたいと思う、企業や個人に融資されたり、日本国債を購入するための資金として、使われたりしております。

そのためタンス預金が増えれば、企業や個人は新商品を開発できなくなり、また日本国債の購入量が減れば、日本政府は社会保障費などの歳出を、削減せざるを得なくなります。

こういった理由があるため、タンス預金が増える事は、将来の日本を悪くしていくと思うのです。

そうはいっても銀行を信用できないという方は、将来の日本を良くしてくれそうな企業の株式を購入したり、将来の日本を良くしたいという志を持った個人に対して、例えばクラウドファンディングを通じて、資金を提供したりすれば良いと思います。

また将来の日本がどうなるかに関心がないという方は、自分がいつかお世話になるかもしれない、介護事業を行うNPO法人に寄付をしたり、子供や孫に対して教育資金を、贈与したりすれば良いと思います。

いずれにしろタンス預金として家の中にあるお金は、社会の中を循環していかず、誰の役にも立たないのです。

ですから将来の日本を良くしたいと、少しでも思うならば、「タンス預金」は止めた方が良いのです。
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  1. 2017/04/17(月) 20:44:05|
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